腸内細菌と身体の関係~腸活のすすめ~

北広島市・恵庭市の動物病院、きたひろ動物病院です。

・健康で長生きしてほしい
・薬を使用しつつももっと身体を楽にしてあげたい
・丈夫で健康な毎日を過ごせる身体つくりをしてあげたい

これらの願いを実現するために、明日からすぐに始められるのが「腸活」です。

目次

◯腸活とは

腸内フローラ(腸内細菌叢)を整えることで、食事やサプリメントなどを通じて腸内細菌の多様性を高めるアプローチです。
※人では腸内フローラの乱れが様々な病気と関連していることや、それらに対して腸活が有用であることが次々と解明されています。

~腸活として取り入れたい要素~

プレバイオティクス:腸内細菌のエサ(オリゴ糖や食物繊維など)
プロバイオティクス:生きた菌(乳酸菌)
バイオジェニックス:乳酸菌の生産物質、死菌体など

◯腸には免疫を担当する細胞の70%が存在

腸は食べ物を消化・吸収・排泄するだけの臓器ではなく、体の免疫を支える大きな役割を果たしており、免疫を担当する細胞の70%が存在するとされます。

この腸の活動を支えるのは腸内フローラであり、特に腸内の善玉菌が産生する短鎖脂肪酸と呼ばれる物質が重要な役割を果たしています。短鎖脂肪酸は免疫の調整だけではなく、腸のエネルギー源となり、悪玉菌を減らして腸内環境を改善するほか、代謝や食欲の調整にも関与します。

豊かな腸内フローラは脳、心臓、肝臓、腎臓、内分泌臓器などの活動にも寄与しており、腸内フローラは1つの臓器に匹敵するほどの影響力があることがわかってきています。

脳と腸の関係

緊張する場面やストレスを受けた時、腹痛や便意を感じた経験があると思います。
これは脳から自律神経を介したストレス刺激が腸に影響を与えています。
一方で、腸の調子が悪い、特に腸内フローラが乱れていた場合、落ち着かない、意欲がない、不眠、頭痛など、脳に影響を与えることもわかっています。

※口腔内細菌は腸内フローラと関連性が深く、また、歯周病菌が血流を介し脳へ影響を与えると脳卒中や認知症の原因となるといわれています。

腎臓と腸の関係

慢性腎臓病(CKD)の病態進行の原因として腸内フローラの関与が明らかになってきました。尿毒症物質は腸内細菌によって産生され、生命予後に密接に関連します。

※腸内細菌叢の乱れにより粘膜障害が起き、細菌や毒素が血流を介し腎臓(腎不全の進行)や心臓(心血管疾患)へ影響を与えることがわかっています。

腸と皮膚の関係

腸内細フローラの乱れにより免疫を調整する機構が破綻し、炎症を引き起こす免疫細胞の暴走、皮膚バリア機能の破壊を起こす。バリア機能の低下が原因となり、抗原の侵入や細菌感染が成立すると皮膚炎が生じる(アトピー性皮膚炎、膿皮症など)。

アトピー性皮膚炎を対象に腸活介入すると、皮膚炎症状の軽減、ステロイドなどの減薬、発症予防の可能性、発症しても軽症で済む可能性が示唆されています。

犬や猫と生きるご家族の皆様、私たち動物医療関係者の誰もが抱く思い
健康で長生きしてほしい
この願いを実現させるために明日からすぐ始められるのが腸活です。
ぜひ一度実践し、健康寿命を伸ばしましょう!

~腸活の始め方~

step1 (食事)+サプリメントで腸活開始
step2 便の変化の観察
step3 3~6ヶ月継続し、効果判定と継続の可否を決定する

便の変化は比較的早く、1ヶ月前後で変化を感じられるケースが多いようです。
もしも、6ヶ月以上継続しても明らかな変化が実感できない場合は、別の種類の腸活製剤に変更する、あるいは追加することを推奨します。

腸活に使用するサプリメントなど、気になることがあればお気軽にご相談ください。

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