猫の特発性膀胱炎

北広島市中央の動物病院、きたひろ動物病院です。

猫下部尿路疾患の原因のうち、特発性膀胱炎は60-70%と半数以上を占めます。

(尿石症10-20%、細菌性膀胱炎1-10%、その他)

※診断には尿検査や培養検査、画像検査の必要があります。

目次

◯症状

頻尿、排尿障害、血尿、排尿アクシデント

◯原因

特発性膀胱炎の原因は複雑ではっきりした原因はよくわかっていませんが、ストレスがトリガーであると言われています
(ストレス反応への異常反応、膀胱粘膜異常、尿中の炎症物質など複数の要因があると考えられています)

◯治療法

  • ストレスの軽減
  • 水分摂取
  • 食餌からのアプローチ
  • サプリメントやフェロモン
  • おくすり

環境からのストレスを下げることがとても重要であり、再発の頻度をへらすことができます☆

〜ストレスが関係あるというけれど、どうやってストレスを下げるの?〜

環境からのストレスを下げるためにできることを意識しましょう。

〇トイレ環境

・猫は大きな面積を使って排泄をします。
外にいる猫さんをみると、砂場や畑といったopenな場所で排泄しています。

・トイレの大きさは体長の1.5倍以上が理想的。
大きな体格の猫にはホームセンターなどで購入できるものを使用(トイレ用でなくてもOK)。

可能な限りカバーをかけない(どうしても必要であれば大きなトイレ+大きなカバー)

※小さいトイレ+カバーは人の簡易トイレのようなもの…臭くて狭いのは嫌ですね※

砂の種類は細かめ(もともとは砂漠のいきものです)システムトイレでも汚い砂や下の敷物はすぐに変えることを推奨。

・トイレの場所:コアエリア(生活の中心エリア)から遠く離れていない場所へ設置
うるさい電化製品は苦手。
夜間に真っ暗になってしまう場所は苦手。
同居猫がいた場合に邪魔されない場所を考える。

・常にきれいなトイレがあるように。
(常に人がいて片付けることも難しいため、頭数+1個のトイレを用意)

多頭飼いで頭数+1個のトイレ設置が難しい場合は…仲良しグループ+1個のトイレを設置

!トイレいやいやサイン! これに当てはまる子は要改善!

・側面をひっかく
・壁や床をひっかく、側面に足が2本以上乗っている
・排泄中側面に足を置いているか足を上げている
・排泄前に砂を掘らない
・滞在時間が短い
・近づくが使用せずに立ち去る
・排泄物を隠そうとしない
・トイレに入ってもすぐに出る

次に、猫の1日の行動を見てみましょう。

睡眠・休息・ハンティングの割合が多いことがわかるため、ここから環境改善を考えてみましょう。

〇寝床、休憩場所

やわかいベッドが好き

隠れられる場所を用意する

登れる場所(不安になると猫は登る傾向がある)

・同居猫と必要なら距離感を取れるような場所にあちこちに設置する
 ※キャットタワーなど猫用のものはコストがかかるため、家財道具をうまく使うのも手。
 (例:出窓や簡易ベッドの下、冷蔵庫の上など)

猫同士の相性をみて寝床や食事場所を考える。
(猫はハンティングに一人でいくので、基本的に一緒にならんで食べる動物ではない)

☆仲が良いかどうかの見分け方☆

・首から上を舐め合う

・一緒に寝る

・しっぽをあげてフレンドリー挨拶

〇ハンティング遊び

おもちゃの工夫。ずっとおいてあると飽きるのでローテーションがオススメ。

知育Toyの利用や、手作りのおもちゃ
(例:●ペットボトルにフードを入れて穴をあけ、転がしたら出てくるようにする●トイレットペーパーの芯の中やガシャポンのボールの中にフードを入れる…など)

◎人との関係

猫を叱ったり、驚かせたりしないこと。
大切なのはイタズラしないように環境を整備すること。

自由気ままに生活している様に見えて、じつはストレスを感じていることも少なくないのかもしれません。
「膀胱炎を繰り返す、膀胱炎が治らない」など気になることがありましたら些細なことでもご相談ください。

※「尿が全く出ない」のは緊急性が高いため早急な来院を推奨します※

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